【第2796例会】花見例会(親睦委員会)(2023年3月30日例会)
会長時間
『桜の和歌』
本日は春爛漫という言葉がぴったりなほど桜が咲き誇り、花見例会にはまさにうってつけの日和となりました。今日はもちろん桜の話をしたいと思います。
平安時代から現代まで、実に多くの桜の歌が詠まれていますが、その中から4つ選んでご紹介いたします。
①「清水へ 祇園をよぎる 花月夜 こよひ逢ふ人 みなうつくしき」
(与謝野晶子『みだれ髪』)
月の光に照らされた夜桜観賞、みんなウキウキと高揚した空気感が伝わって来ます。今日の皆さんのようです。
②「春くれば 散りにし花も 咲きにけり あはれ別れの かからましかば」
(具(とも)平(ひら)親王『千載和歌集』)
春が来ると、かって散った花もまた咲いた。別れた人とも、また再び会えればいいのに。と死に別れた親しい人を偲ぶ歌ですが、生き別れた友や恋人にもあてはまります。
今日のこの会場でBGMで流れいるいきものがかりの『SAKURA』にも、「小田急線の窓に今年も桜が映る 君の声がこの胸に聞こえてくるよ」という歌詞がありますが、実に桜は色々な事を思い出させてくれます。「さまざまな こと思い出す 桜かな」という芭蕉の句がありますが、まさにその通りです。
③「さくら花 幾春かけて 老いゆかん 身に水流の 音ひびくなり」
(馬場あき子『桜花伝承』)
馬場あき子さんは現在95歳の方です。桜はどれだけ春を重ねて、老いてゆくのだろうか。桜にわが身の老いを重ね、水流の音にわが命の行く末を感じ取る、老いを意識した歌です。
④「散ればこそ いとど桜は めでたけれ うき世になにか 久しかるべき」
『伊勢物語 渚の院』
桜は散るからこそ美しいのですよ。この世に永遠のものなどないのですから。と諸行無常を謳うとともに、人の命も限りがあるから尊いのですよ。だからこそ、毎日を大切に生きなければなりませんよと、教えてくれているようです。
桜を見る時の私達の心の動きは様々です。年齢にもよりますし、境遇にもよります。しかし、私達は皆、桜に深い愛着を抱いているのではないでしょうか。
今日はどうぞ、心ゆくまで桜とお酒を愛でてください。
花見例会風景
例会準備風景
広島マツダ西条店 店長 道迫 栄一 様 あいさつ
藤井 会員 退会挨拶
懇親会風景