【第2791例会】職業奉仕月間にちなんで(優秀職業人の表彰)(2023年2月9日例会)

会長時間

『深山の花』
 私の家の出入りには川沿いの細い道を通らないといけないのですが、車での離合がちょっと難しいんです。だから、途中車を寄せられる場所が一か所あり、そこで待って離合する訳です。そして、道を譲ってもらった方は「ありがとう」って意味で手を上げたり、会釈したりして通るのですが、中には何もしない、目も合わさずにさーっと通り過ぎる人がいます。そうなると、こっちはチッと思って腹が立つ訳です。
 しかし、これは仏教的にはアウトなんです。「お礼を言われたい」「誉められたい」等、見返りを求めてする行為は善行(善い行い)ではないんです。だから、「ありがとう」の言葉、サインがなくても、腹を立てちゃいけないのですが、これがなかなかできない、難しい事であります。
 住岡夜晃先生が愛された古歌に、
 「あれを見よ 深山の奥に 花ぞ咲く 真心尽くせ 人知れずとも」(作者不詳)
 私はこの歌が一番、布施・奉仕の心を表していると思います。山の奥深く、人もめったに訪れる事のない山奥の片隅に、一本の花がとてもきれいに咲いている、花は誰に見せる事もなく、誰に見られる事もないけれど、とってもきれいに美しく咲いている。
 私達は得てして、「自分はこんな良い事をしている、自分はこれだけ社会の為に貢献している」と自らの行為、仕事を宣伝・自慢したがるものです。
 しかし、そうじゃないんですよ、人に宣伝する為、誉められる為にするんじゃないんですよ。たとえ、人から誉められなくてもいい、人に認められなくても、気づかれなくてもいい、唯々自分の仕事に真心を尽くしなさいよ。と、この歌は教えてくれているように思います。
 真心をもって誠実に自らの生業に取り組んでいく事が、そのまま、みんなの為、社会の為にきっと役立っているのです。自分の生業に誇りを持つ、その矜持こそがロータリーの職業奉仕の理念であろうと思います。
 そして、このような深山の一本の花を見つけ出すことが、我が西条RCが毎年行っている「優秀職業人の表彰」であります。

岩森会員 入会式

 

廣幡会員 米山功労者(第7回マルチブル)

優秀職業人表彰 東広島市立松賀中学校教諭 三宅 裕子様