【第2784例会】元就を立ち上げたプロデューサーのテレビ裏話 戸倉真一様(2022年11月17日例会)
会長時間
『枯枝』
俳句を作る訳ではありませんが、歳時記を見るのは好きです。季語には沢山の不思議な言葉、美しい言葉があります。『蛙(かわず)の目借時(めかりどき)』『亀鳴く(かめなく)』『山笑う(やまわらう)』『木の葉髪(このはがみ)』『春愁(はるうれい)』『半夏生(はんげしょう)』『空蝉(うつせみ)』『淑気(しゅくき)』『水引の花(みずひきのはな)』等々、この様な見知らぬ日本の言葉を見つけると嬉しくなります。
今日は冬の季語である『枯枝』の話をしたいと思います。歳時記を見てみますと、『枯木』『枯枝』『枯芝』『枯尾花』等、『枯』が付く季語が俳句には沢山あります。冬になると、植物は葉を落とし、しぼみ、しんと静まりかえります。その姿を『枯〇〇』と表現しているのですが、『枯』と付いているからと言って、マイナスイメージの季語ではありません。
青々とした時にはその勢いを。茶色く枯れた時にはその静けさを。それぞれの持ち味を差別することなく良しとし、その姿を愛でよう、というのが俳句の精神だそうです。
私も還暦を過ぎ、心身の衰えを感じるようになった今、改めて考えると「何と素晴らしい精神だ」と拍手を送りたい気持ちになります。
今日、テレビを見ていても「アンチエイジング」とか、「いつまでも若くなければ」という風潮が強くなっているように思えます。いつまでもツルツルでピチピチの肌がもてはやされ、若さは良い事で、老いは悪い事のように思われています。
せっかく歳を重ねて、それなりのわびさびをかもし出しているのですから、シミシワも、髪の色や量も、体型も、全て堂々と恥じる事なく開陳できるようになればと思います。
「触(さわ)るもの なくて枯枝(かれえだ) 穹(そら)に張(は)り」
これは桂信子(1914~2004)の句です。枯れて葉を落とした枝が、枯れているからこそ、空に向かって堂々と枝をさし伸ばしている。何とかっこいい句でしょう。歳を重ねた人はこうありたいものだと心から思います。
「枯れてまた楽しからずや」と、生きてみたいものです。
連続100%出席 前垣会員、高橋会員、奥本会員
ゲスト卓話 「元就を立ち上げたプロデューサーのテレビ裏話」 株式会社中国放送 編成制作部 専任部長 プロデューサー 戸倉 真一 様
RCCで放送開始から13年目を迎え、平均視聴率が10.5%超えるお化け番組「元就」の放送開始の担当者であった戸倉様より、番組立ち上げの裏話や、番組の制作の苦労等のお話、横浜の放送ライブラリーで鑑賞出来る、戸倉様が制作された番組「牡蠣が結ぶ世界の絆 オイスターロードを行く」「広島発!汁なし担担麺 ブームの謎を追い四川へ」の番組作成秘話等、お話し頂きました。