【第2618例会】相続税について(2018年3月8日例会)

例会プログラム:相続税について

卓話者:脇 博之 さま(税理士)

脇 博之 税理士

只今ご紹介いただきました脇と申します。事務所は西条本町、開業は昭和63年であり、今年の6月で30周年となりました。
今日は皆さんが関心のあり、いずれ必ず訪れる相続ということで、相続税についてお話しします。実は昨年4月、5月と私の両親が、10月には義母が亡くなりまして、近親者の相続を経験しました。その際の手続きですが、相続手続きの際は、金融機関用等で亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本が必要となります。状況に応じて市外の役場を含めて複数枚の戸籍謄本を取らなければなりません。そこでご紹介しますのは昨年5月から法務局が取り扱いを始めた「法定相続人情報一覧表」の作成です。これは生まれてから亡くなるまでの資料を法務局に提出すれば、法務局が法定相続人が誰であるということを証明してくれます。これは金融機関手続き、相続登記、相続税支払い等全てに使えます。私も作成しました。ホームページでも案内されておりますので、皆さまにもお勧め致します。
平成27年度の税制改正において相続税の基礎控除額が60%に減額(改正前:5,000万円+1,000万円×法定相続人の数 → 改正後:3,000万円+600万円×法定相続人の数)されました。これによって相続税の対象者が増えると言われていましたが、西条においてもそれまで亡くなられた方の4.5%が対象となっていましたが、改正後は倍増しております。「争族にならないためには」ということですが、ご本人が亡くなる第一次相続では配偶者の方、お母さんの立場の方がいらっしゃるのでまず揉めません。ただし次の相続となる第二次相続、つまり配偶者の方が亡くなるケースではとんでもない揉め方をすることがあります。それを防ぐにはどうしたらよいか。それは遺言状の作成です。それは故人の意思ですから、通常であれはこれで対応出来ます。しかし気をつけておかなければいけないのは法定相続人の遺留分です。仮に遺言で長男に100%、長女にゼロとした場合、長女は遺留分(法定相続分の1/2)について減殺請求訴訟を起こすことができます。ですから遺留分を考えて遺言しないと将来揉める可能性があるということです。皆さま方におかれましては税理士さんと十分ご相談されて対応されることをお勧めします。
自社株の譲渡については、誰を後継者にするのかを明確にし、50%超の議決権を有する形で税理士さんとしっかり話をされることが大切です。例えば大変困ったケースでは、オーナー社長が亡くなる前に退職金を支給し自社株評価を落とした後で、株式を後継者である長男に1/3、社外の次男に1/3、三男に1/3に贈与しました。その後で株式の買戻しに大変な労力を要しました。ですから誰に会社を継がせるのかをしっかり考えて、その方に集中させることが大切です。今は色んな種類株があります。例えば後継者以外の方に通常より少し高い配当が得られる「配当優先株」を与えてあげたり、また後継者の方にその方が議決権を持つ「黄金株」を持たせる方法もあります。何れにしても自社株を後継者にしっかり引き継ぐということが大切であり、次にある事業承継税制というものがあります。しかしこれまでは雇用確保要件がネックになって非常に使い辛いものでした。それが30年の税制改正で特例という形で平成30年4月1日から約10年間、新しい事業承継税制というものが出来ました。特に大きなネックとなっていた雇用確保要件が実質撤廃されており、非常に使い勝手が良くなっています。一方で5年以内での特例承継計画書の提出が義務付けられています。この制度は今年の目玉となっており、ご担当の税理士さんもしっかり勉強されていると思いますので、よくご相談なさってください。

脇税理士と金好会長

委員会報告

国際奉仕委員会 本田委員長

本田国際奉仕委員長

タイのチェンマイに行ってまいりました。西条ロータリークラブが支援しました耕運機が現地で使われておりました。自給自足の生活をされており、大変役に立っていると喜ばれていました。
またバンコクリウォンロータリークラブにお邪魔し会長の鈴木さんとお会いした際、賀茂鶴のお酒と写真があり、嬉しく思いました。